【解説】地域観光事業支援とは｜4月以降の旅行に国が補助金交付

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観光庁は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により落ち込んだ旅行業を支援するため、GoToトラベル事業が再開するまでの期間、都道府県が行う県内旅行の割引事業を財政的に支援する『地域観光事業支援』を実施すると公表しました。地域観光事業支援とはどのような制度なのか詳しく解説します。

県内旅行を最大7,000円助成！地域観光事業支援の詳細

本記事は、2021年3月27日時点の情報を元に掲載しています。制度内容は変更となる可能性がありますので、ご注意ください。

「GoToトラベル」の代替案！地域観光事業支援とは？

「地域観光事業支援」は、新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いているステージ２相当以下とする都道府県が行う県内旅行の割引事業に対して国が補助金を交付し、財政的な支援を行います。支援内容は、以下の通りです。

◆居住地と同一県内の旅行を割引支援。

◆支援内容など制度設計は全て都道府県において決定。
※国は１人一泊当たり５千円・商品代金の５０％を上限に支援。
（日帰り旅行の場合は、１人当たり５千円・商品代金の５０％を上限）

◆地域限定で旅行期間中に使用可能なクーポン券など、地域の土産物店、飲食店、公共交通機関などの地域の幅広い産業に裨益する支援策を併せて実施する場合は、１人泊当たり２千円を上限に追加支援。
（日帰り旅行の場合は1人当たり２千円を上限に追加支援。）

「地域観光事業支援」いつから開始？割引内容は？

2021年4月1日以降、準備が整った都道府県から開始となります。当面は、5月31日宿泊分（6月1日チェックアウト分）までが助成対象となります。キャンペーンについては、観光キャンペーン実施の有無を含め、都道府県が独自に決定できるので、都道府県ごとに異なる内容となります。

「地域観光事業支援」で交付される補助金は、国の支援金額であって旅行商品に対する割引額ではありません。現在もいくつかの都道府県が独自の予算を活用して旅行割引を実施していますが、「地域観光事業支援」を利用し、さらに割引額を増額したり、予算を上乗せし利用者を増やしたりすることが可能となります。

GoToトラベルキャンペーン再開まで県内旅行を支援する理由

GoToトラベルキャンペーンは、国が主体となって進めていますが、「地域観光事業支援」は都道府県が主体となって進める事業です。新型コロナウイルスの感染者数拡大状況は、地域によって異なるため、GoToキャンペーンのような制度設計だと全国一律に進める必要があるため実施が難しくなります。そのため、地域の状況に合わせて事業が展開できるように、国は予算の交付だけ行い、キャンペーンの内容については都道府県に任せるという支援方法になりました。GoToキャンペーンをエリアごとに再開させる案もありましたが、県をまたぐ旅行者の移動による感染拡大を防ぐためにも、県内旅行を推進する制度設計にする必要があったのだと思われます。

新型コロナへの「ふっこう割」｜宿泊クーポン・プレミアム付き宿泊券

熊本地震被災地への観光支援「九州ふっこう割」以降、地震や豪雨・台風などの自然災害による被害を受けた地域への観光支援「ふっこう割」が実施されてきました。ふっこう割も国から補助金が交付され、都道府県が独自の観光キャンペーンを行ってきました。「地域観光事業支援」で実施される観光キャンペーンもかつて「ふっこう割」で実施されたキャンペーンに倣った内容になると思われます。

【≪参考≫ふっこう割などで実施してきた観光キャンペーン】
・楽天トラベルやじゃらん、JTBなどの宿泊予約サイト（OTA）での宿泊割引クーポンの配布
・旅行代理店（店舗窓口・WEB）による割引旅行商品の販売
・プレミアム宿泊券の販売（コンビニ等）
・宿泊者に対してお土産店や飲食店で使える商品券の配布

京都の観光地も閑散。宮城・東京・大阪・沖縄は大丈夫？

GoToトラベルキャンペーンの中断により、私の住む京都の観光地も閑散とした状態が長らく続きます。休業や廃業に追い込まれる宿泊施設や飲食店もありますので、できる限り早急に観光支援が始まることを望みます。ただ補助金が交付される基準である「ステージⅡ相当以下」とならない限り開始できないので、３月現在、宮城県や東京都、大阪府、沖縄県のように感染者数が多く出ている自治体は、４月早々の開始が難しいと思われます。

◆都道府県別の感染状況指標は、WEB等で確認できます。

≪参考≫日本経済新聞WEBサイト「47都道府県のコロナ感染６指標で見る」